人もおし人もうらめし
あぢきなく
よをおもふゆへに
物思ふ身は
小倉百人一首、第九十九番の歌です。
作は、後鳥羽院(1180~1239) 続後撰集 巻17・雑中に載っています。
この歌は、後鳥羽院が、時の鎌倉幕府に対し起こした承久の乱に敗北して、隠岐の島に流される9年前に詠んだ歌です。
鎌倉幕府による、朝廷政権への圧力、そして貴族社会の衰退など、後鳥羽院の現状への不満が伺える歌です。
人がいとおしく、また恨めしくも思われる
つまらない世の中だ
しかし
いちばんつまらないのは、こうして世をはかなんで、思い悩む自分自身であろう
承久の乱を起こしました。
乱は、幕府側の勝利に終わり、敗北した後鳥羽院は隠岐に流されました。
隠岐の島に流された、後鳥羽院は、18年後にむなしくその地で没しました。