我いほは
都のたつみしかぞすむ
よをうぢ山と人はいふなり
小倉百人一首、第八番の歌です。
に載っています。
私の庵は都の東南にあり、鹿も住んでいるようなのどかな山里、宇治山にあります。
この里で、私は心静かに暮らしているのです。
しかし、世間の人たちは、私が世を憂いて宇治山に住んでいると言っているそうです。
宇治山に居た僧としか、経歴は伝わっていません。
六歌仙とは、平安時代初期に活動した、和歌の名手、6人を選んだものです。
在原業平、遷昭僧正、喜撰法師、大友黒主、文屋康秀、小野小町のことを言います。
宇治山は、宇治市の東部にある喜撰ヶ岳という山のことです。
喜撰ヶ岳に住んでいた法師で、喜撰法師なのでしょう。(もしかしたら、その逆かもしれません。。が)
とかく、世間のひとは、自分たちと同じように暮らしていない人がいると、何か訳があるのではないかと囁きあうようです。
人里離れた場所で、心静かに暮らしている、作者の心根が伺える歌です。