和歌を鑑賞して、詠んでみます。

百人一首などの和歌を鑑賞します。そして、お気に入りの写真に添って和歌を作ってみます。

小倉百人一首第三十三歌 春の情景 ひさかたの・・

 

 

三十三歌


ひさかたのひかりのどけき春の日に

 しづ心なく花のちるらむ

小倉百人一首、第三十三番の歌です。

 

作は、紀友則(不詳~905ごろ) 古今集 巻2・春下に載っています。

 

うららかでのどかな春の光の中なのに

 

なぜ桜の花は、散り急ぐのか、

 

落ち着いた心を持って、もうほんの少しでよいので、

いま、この時にとどまってくれないか

 

このような思いを込めた歌です。

 

作者の紀友則は、古今集の撰者ですが、無官の時が長く、不遇を過ごした人だったようです。

この歌も、今では、小倉百人一首を代表するような、有名な歌ですが、当時は、ほとんど評価されなかったとの事です。

鎌倉時代、定家によって見いだされてから、ようやく評価されたようです。

 

のどかな春の光のなか、花びらの舞い散る静かな情景が目に浮かんできます。

 

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静花と咲く

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如月に

 生まれしつぼみ

    彩を成し

 温もり香る

   静花と咲く

 

 

 

早春にそっと咲いている、小さな花です。

梅や桜の影にあって、目立たぬように咲いている想いがしました。

 

新春の頃、つぼみが生まれ、まだまだ寒い頃にゆっくりと彩が育っているようです。

観梅のころ、足元にそっと咲いている、小さな花をみつけると、なにか嬉しい気持ちになります。

 

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和歌を鑑賞 小倉百人一首第二歌 春すぎて

 

 

小倉百人一首第二歌

春すぎて夏来にけらし白妙の

 ころもほすてふあまのかぐ山

 

小倉百人一首、第二番の歌です。

 

作は、持統天皇(645~702) 新古今集 巻3・夏に載っています。

 

この歌は、夏が来た様子を詠んだ、季節の歌です。

 

都から、天の香具山を眺めると、山肌の若葉に何か白い色が映っています。

 

あれは、神が干すと言われる白妙の衣のよう

 

今年も夏がやって来たとの思いを詠んだ歌です。

 

作者の持統天皇は、百人一首第一歌を詠んだ天智天皇の娘です。

父の天智天皇に続き、とても波乱に満ちた生涯を送った女天皇でしたが、

晩年、都を藤原京に遷すと、そこからは、天の香具山の美しい姿が望めました。

爽やかな、夏の情景を詠んだ持統天皇の穏やかな心境が、この歌からうかがえます。

 

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和歌鑑賞、小倉百人一首 秋の田の

秋の田の

秋の田のかりほのいほのとまをあらみ

  わがころもでは露にぬれつつ

 

小倉百人一首、第一番の歌です。

 

 

 

作は、天智天皇(626~671) 後選集 巻6・秋中に載っています。

 

この歌は、天智天皇が農民の苦労を想い詠んだとされています。

 

秋のよる、農作物を獣などから守るために見張り小屋(かりほ)で一夜を過ごす農民に茅などで編んだむしろ(苫)から夜露がおちて袖を濡している様子です。

 

袖を濡らすのは、夜露のせいか、家族を想う涙のせいだろうか・・

このような、農民の思いを詠んだ歌とされています。

 

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晩秋の室生寺から

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古寺に

 紅葉散らして

    冬どなり

 室生の風は

    今も昔も

 

 

 

一枚の写真から歌を作ろうとしていますが

なかなか決まりません。

この写真からは、もうすでに8歌ほど作りました。

どの歌も好きですが、まだ出来そうな気がして、、、です。

文法的にとか、表現的にとか、いろいろ悩みます。

でも、それが作歌の楽しみかもしれません。

 

ご意見をお待ちしています。

 

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長寿梅

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初春に

 つぼみ生まれし

     長寿梅

 君に

  千歳の春を迎える

 

 

 

 

今年の正月に、知り合いのお年寄りに長寿梅を送りました。

種類としては、木瓜の木だそうですが、

長寿梅という名前は、素敵です。

 

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室生寺をもう一度

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古寺の

 紅葉ちらして

吹く風は

 室生の里を

  冬の気配に

 

 

 

前の記事に載せた歌が、もう一つ満足出来なくて

歌を再作してみました。

晩秋に吹く、冷たい風を感じると

もうすぐ来る冬の気配を感じます。

奈良の室生寺の庭で、散っていく紅葉を見ながらの想いを

なんとか歌に表したいと思っているのですが、なかなか上手く出来ません。

ご意見、ご教示をお願いいたします。

 

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